G感性という性格分類:「ブームはどう伝播するのか?」の体系化を試みた話
今から30年近く前の深夜番組「三宅裕司の天下御免ね」の中で、G感性と呼ばれる性格分類を流行らそうとしました。
これは血液型や星座とは異なり、21世紀に向けた新しい科学的な性格分類と銘打って番組内に取り上げていました。
しかし、21世紀になってもうすぐ20年経過しますが、まったくもってG感性なるものが登場することはなく、ひっそりと世間から消えました。
ただ、このG感性が持つ「ブームの伝播を体系化する」という考え方は少なからず今の世の中にも通じるのかな、と思い、今更ですがまとめました。
- 性格分類が好きな方
- 過去にブームの伝播をどう分析したかを知りたい方
- 「懐かしいねぇ〜、イカ天エビ天の後番組だよね、この頃は独特で面白い深夜番組が多かったよねぇ」と感慨深げな方
当時の自分は「岸谷五朗の東京レディオクラブ」(TBSラジオ22時〜24時帯)のリスナーだったので、その流れで観ていました。
(この番組に岸谷五朗も出演していたので)
ここまで書きましたが、これについていけるアラフォー以上の方はいらっしゃるんでしょうか??
G感性とは何か?
そもそもG感性のGって何の略なの?
それが本を見てもよく分からないんですよね。「コンピューター解析を進めてきた際の識別記号」としか書いてなくて・・・
G感性は自分の周囲、特に「流行」についての受け止め方を以下の5タイプに分類することよって、タイプに応じた付き合い方や考え方を理解する目的で作られました。
G感性の5つの分類
G1[マイペース型]:効率的で目的重視、必要以上に買い物をせず、流行に鈍感
G2[アクティブ型]:流行に飛び付きやすく、行動力抜群。収集した情報は人にも積極的に伝える
G3[ミーハー型]:仲間意識が高く、周囲に自分が染まっていくタイプ。一方で他の人の目が気になってしまう
G4[マニアック型]:特定の分野に深い興味があり、確固たる自分を持っている。興味がない分野との線引きが明確
G5[マルチ型]:先進的思考を持ち、人よりも何歩も先を行っている。興味の幅が広い反面、飽きやすい一面もある
これらのG感性の分類は33個の質問に答えれば算出されます。
当時の自分はG1でした。
確かに、当時(中学生)はあんまり周りの流行に影響受けずに我が道を行ってたかもしれません。
へぇ、どんな質問なんだろう?
自分のG感性は何だろう。。。
G感性を算出する33個の質問(のはずですが・・・)
ここで33個の質問と、その回答によってG1〜G5のどのG感性に分類するのかの算出方法を書けばいいのですが、この質問が現代にマッチしておらず、G感性を求めるのが困難なため割愛します。
なので、上の「G感性の分類」を見て、「自分はG2かな・・・」とか推測するしか今は手段はないです。
いくつかの質問を挙げてみます。
質問2:よく電話したりされたりする友人が10人はいる
質問23:週1日以上FM放送を聞く
質問26:CDプレイヤーやVTRなどAV機器は他人より早く買っている
今は電話ではなくて、メールですよね。いや、メールも古いか。LINEとかSNSとかもっと別の尺度で質問を作らないと正しく測定できないと思います。
FM放送も当時は知る人ぞ知るメディア(今はAMラジオ局でもサイマル放送でFMの電波でも聴ける)だし、CDプレイヤーやVTRって・・・。
これらの質問を現代にリライトすればいいのかもしれませんが、今更統計も取れないので本当にリライト結果が正しいか分からないです・・・
ブームが伝播する仕組み
ここでは、このG感性の分類を使って、どのようにブームが伝播してブームとなるのかを考えてみます。
当時の20代における、G1〜G5の人数の割合は下記になっていた模様です。
G3がほぼ半分を占めています。つまり、ブームとは言い換えればG3の人が興味を持てばブームとなります。
流れとしてはこうです。
- 先進的思考を持つG5の人がまず興味を持ちます
- その後、G2の人に伝播して周囲に伝わります
- G2からの情報を受けてG3の人が興味を持ちます(ブームの最盛期)
- G1の人が後から興味を持ちますが、そのころはブームが終焉を迎えます
あれっ?、G4の人がでてきていなんだけど・・・
G4は確固たる自分の興味を持っているのでブームには乗りません。
そのため、ブームを作るのにG4の人にアプローチを取るのは得策ではないとの考えだそうです。
まとめ:コミュニケーション手段が多様化する現代でも根本は変わらないかも
質問が現代向きではないため、今からG感性を使ってマーケティングやコミュニケーションの改善を図ることはできないかと思いますが、考え方としては現代でも通じる面白い観点ではないかと思います。
当時はおそらくブームの伝播は「口コミ」が主であり、今のようにインターネットやSNSが発達した状況とはコミュニケーションのツール・仕組みが違っているのは事実です。
しかし、「全方位的に流行の火種を見つける人(G5)が見つけ、行動力がある人(G2)が広め、周囲の影響を受ける人(G3)に伝播して、流行に鈍感な人(G1)が注目した段階で収束する」という流れは変わらないのではないかと思っています。
そんな考え方を30年ほど前に流行らせようとしたのも面白いと思って記事にしました。
結局、G感性自体がブームにならなかったんですけどねw